アク(灰汁)の正体

調べれば調べるほど正体不明です。
しかし、料理の世界では 洋の東西とわず忌み嫌われるようだ。
身近なところでは 鍋。

...
今年の新年会のある席で、アクをとっていた私に


【アクをとる意味がわからない。ただの泡でしょ?】と言われ


なるほど! っと思った。


正直、【アクはとるべきもの】と固定概念化されていたし
だからといって アクの正体から 何にどのように作用するものか?
理路整然と答えられる知識も無い。


アクを取ることの効果うんぬんを反論するより
その視点に注目すべきだと。


そして あることを思い出していた。




20年くらい前の事。


ワインが好きで 良く通っていたお店、
ワインを愉しみながら 語り合う常連の巣窟でもあったのだが、


一番詳しくて、つかうオカネも 勉強も一番!って感じの人のコトバ、


【このワインは パーカーポイントで96点で・・・】


・・・とか、 買う前 飲む前に 想像をめぐらす為なら良いのだけど、


飲みながら言ってるから ・・・ね。


あきらかに パーカーの評価の低いワインを見下し


状態が悪かろうと 点数の高いものをありがたがる。


自分で判断せずにだ。



たとえロバート・パーカーが80点と言ったワインでも
何かの間違いで90点のモノより美味い場合だってあるかも。


勉強の過程で言うのは ある程度仕方ないが

皆で愉しむ場において
超え高々にいうのはいかがかと。



何が言いたいかと言えば


【常識】とされる既存の知識によってアタマが支配され


【自分の判断】に影響をあたえてないか? ってこと。



アクについてもそう。


その後色んな煮物や 鍋で 試してみたけど
沸騰初期段階と 煮込みすぎ状態では全くベツモノだし


具材の下処理によっても随分違う。


初期のアクはともかく 時間が経てば 旨味成分であったり
はたまた油分のみの時期もあったり


条件によって常に変化していくのである。


やはり なるほど 一定の条件下では
既存知識通りの効果は確認できる。


しかし 取り過ぎれば 味気ないものに変身する。。 


結局思うのは、
常識とされるものに 敬意をはらうのは大切だが
真意を理解せずに やみくもに信じるのは あまりにも浅はかではないかと。


バカとか アホと言われても平気なのだから
どうせなら その辺 謙虚に 違いのわかる人間でありたいと思う。